映画『三度目の殺人』“弁護士”福山雅治VS“殺人犯”役所広司
映画は真実に迫ろうとする弁護士と、迫れば迫るほど逃げていく真実を描き、「犯人は誰なのか」「真実は何なのか」「三度目の殺人の意味とは」など多くの謎を観客に託したまま終わります。
映画は、エリート弁護士・重盛(福山)の視点を通して描かれる。“負け戦”と覚悟し、30年前にも殺人の前科がある三隅(役所)の弁護を引き受けるが、動機が希薄なため、接見するたびに重盛のなかで確信が揺らいでいく。なぜ殺したのか、本当に三隅が殺したのか……。判決が出て落着するタイプの法廷劇を開発するつもりがなかった是枝監督は、弁護士や検事への徹底的な取材を敢行。さらに弁護士陣の協力を仰ぎ、作品の設定通りに弁護側、検察側、裁判官、犯人、証人に分かれて模擬裁判を実施したそうで、そこで出てきたリアルな反応や行動などを脚本に落とし込んでいるという。アナベル 死霊人形の誕生 DVD
1月中旬に北海道でクランクインする福山は、弁護士役に初めて挑戦するが「初めてご一緒させていただく役所さんとの読み合わせは、とても緊張感のある時間でした。より深く、さらに研ぎ澄まされた是枝監督の演出に応えられるよう精一杯演じられたらと思っています」と意気軒昂。福山とは企画のキャッチボールを常にしていたという是枝監督は、「『そして父になる』はオファーを頂いて成立したので、今度は僕の側からオファーをしてみようと思った。次に何をやろうかという相談の中で、『是枝さんが一番やりたいものを』と言っていただいた」と明かす。